助成金のお話②
パートナー社労士の青山です。
今回は、前回の続き「助成金をただのお金としてみるのは正しくありません。」ということについて、お話します。
以下2つの質問は、私が実際にうかがった質問です。
①「就業規則作成に関わる助成金ってあるんですか?」
②「雇用で最大600万の助成金というのは本当ですか?」
①就業規則を作成したことによって出る助成金はありません。
②最大600万円とありますが、600万円というのは、極めてまれなケースです。
これらの文章は、助成金のことをよく知らない方の関心を引くための、宣伝文句のようです。
そもそも助成金とはどのような制度なのでしょうか?
一言で言えば、労働環境の整備など、従業員のため会社のために、一定の施策をした会社に対して、そのご褒美として出る公金です。
その原資は、会社が負担した雇用保険料がもとになっています。
大切なのは、お金ありきではなく、施策ありきと考えることなんです。
先に示した宣伝の文句と思われる文章は、助成金がお金であることを前面に出したものです。
しかし、会社の施策が大切なこと、また同じお金であっても、それは公金であって、一定の節度が必要なことをないがしろにしているきらいがあります。
繰り返しになりますが、助成金制度は「お金ありきの制度」ではありません。「労働環境の改善整備のため様々な努力をした会社に、結果としてお金を出す」という制度なのです。
ぜひとも助成金に対する正しい考え方をしていただきたいと思っています。
次回はどのような助成金があるかについてお話します。