職場の資格取得支援!いま、気を付けることは?
こんにちは!
スタッフの桜庭です。
今日は職場の資格取得支援についての話題です。
近年、日本社会でも能力や成果重視が進み、多様な働き方への実現に伴い資格取得への関心も高くなっています。
こういった流れの中で、資格取得支援を制度化して推奨するという企業も増えています。
そこで気を付けたいのが【資格ハラスメント】。
資格ハラスメントは法律の専門用語ではありませんが、ハラスメント問題が注目される現代において、様々なハラスメントの一種として登場した言葉です。シカハラと呼ばれることも。
資格取得支援を行っていたり、検討中の事業主様・ご担当者様は、くれぐれもご注意頂き、成果へとつなげて頂ければと思います。
資格ハラスメントとは?
ハラスメントは、単純に訳すなら“嫌がらせ”という意味です。
ですが職場においては誰かの“悪気”というよりも、悪しき慣習で行われていることから被害が出ることもあり、また、同じ状況にあってもどう感じるかは個々人違うケースあることから、顕在化しにくく判断が難しいと言われています。
あらかじめ回避できるような注意が被害をださないためにとても重要です。
厚生労働省のハラスメントついてのページをみると、冒頭にパワーハラスメントについて説明があります。
【パワーハラスメント定義】(厚生労働省関連ページより)
①優越的な関係を背景とした言動であって、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害されるものであり、
①から③までの3つの要素を全て満たすもの
※なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
(昨今、部下から上司へのハラスメントも問題になっていますが、そちらについてはひとまず置いておきます)
資格ハラスメントというのは、パワーハラスメントの一端で、従業員に資格を取得させるにあたって、上記のような状況になってしまった場合に発生します。
例えば、
×取得できなかった者に対して著しい不利益を課す
➔取得教養、減給、降格、退職強要等
×取得のために著しい負担を負わす
➔高額なスクールに自費で通うことを強制する、労働時間外に著しい時間を取ることを強要する等
こういったことも【資格ハラスメント】に該当し、企業側のこのような行為は従業員からの責任追及を受けてしまうおそれがあります。
支援する制度が逆に従業員を苦しめることがないように、どういったことに気を付けていけば良いのでしょうか。
【シカハラ】具体的にどういった行為が該当?
職場では、時には気の進まない業務に取り組むこともあるもの。
プレッシャーの中で身につけスキルを上げていくこともあります。
パワハラの定義は先ほど触れましたが、
では、資格取得に関するどういったことが資格ハラスメントとなりやすいのでしょうか。
【資格ハラスメントとなり得る例】
- 会社業務には使用しない資格を取得するよう強要
- 業務と関係ない、社長の個人的な趣味(ゴルフ・飲食など)に付き合うための資格を取得するよう命ずる
- 業務時間外に長時間の勉強が必要な資格の取得を強制
- 会社の業務で必要な資格にも関わらず、教材費、受験料の全てが自己負担
- 就業規則の不利益変更により、資格の取得が昇給・昇格の条件となった
- 資格が取得できなかったことで従業員が上司から誹謗中傷を受けた(職場の風潮を正さなかった)
- 資格が取得できなかったことを理由に解雇された
このような行為はいずれも従業員に不利益を課す行為であるため、資格ハラスメントとなる可能性が高いものです。
これらはほんの一例で、職場の状況にもよりますし、同じようなケースにみえてもあてはまらない場合もあります。また、責任者にハラスメントの自覚がないこともあります。
こういったことからも、定期的に制度や職場の考え方、方針を見直していくことが大切です。
資格ハラスメントを回避するには?
ではどういったことに具体的に気を付けていけばよいのでしょうか。
- 会社が命じる場合、業務上必要な資格に限り、程度もしっかりと検討する
- 費用や時間等、必要な支援を詳細に検討し制度化
- 精神的に過度な負荷がかからないよう考慮する
まずはこういったところから考えてみてはいかがでしょうか。
その資格がないと業務遂行できないというケースはわかりやすいですが、“なくても業務遂行できるが競争力が上がる”というような場合もあります。
そういった際は考え方や程度を周知し、従業員に方針の理解求める必要もあるかもしれません。
最も考慮すべきは【過大な要求】となっていないかということです。
正当な対価
【過大な要求】を避ければハラスメントは回避できるのでしょうか?
『業務に必要だし、従業員本人もやる気で実力もある』
このようなケースでも、正当な対価を与えないと【資格ハラスメント】となるおそれがあります。
資格手当というのがわかりやすい事例ですが、それ以外にも
例えば
- 会社主催の勉強会への出席が強制
- 資格取得のための課題提出が必要
といった場合、これらは業務の一環と考えられます。
これらが業務時間外に行われていた場合、時間外労働にあたり、割増賃金を支払う必要があります。
また、昨今はコロナ禍でリモートワークが拡大し、在宅ワークや自宅学習の機会が増えました。
『自宅だから会社は関与しなくて良いだろう』
というのもまた望ましくはありません。
通常業務に加えて資格取得を命じている場合、
従業員が資格取得を目指しやすい環境かどうか配慮し、家賃・光熱費の一部・ネット回線代等の費用や、設備環境を揃えるにあたっての過度な負担がないように更なる配慮も必要です。
こういったこともふまえて資格取得支援の内容をあらかじめて定めていくとより充実した制度となるのではないでしょうか。
せっかくの支援制度、会社の利益と従業員の実力向上の両方が果たされることが望ましいですね。
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今日ご紹介したことは、懸念点も解決策もほんの一部です。
職場によっても、そして目指す資格によっても対策は変わってきます。
弊所代表はやし の保有資格は今年100を超え、資格取得に関するセミナーやアドヴァイスもさせて頂いております。
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