弁理士とは?
初めまして。パートナーの弁理士の金森(K-FOREST知財事務所)と申します!
弁理士は、知的財産を扱う専門家です。
初めに、弁理士とはどのような職業なのか、ご紹介したいと思います。
「弁理士(べんりし)」と聞いて、すぐに理解される人は極めて少ないです。
これまで、300名以上の経営者の方と名刺交換をさせて頂いておりますが、
そのたびに、
「弁護士さん?」
「便利屋さんですか?」
などの第一声を頂くことが実に多いです。
もう慣れっこになっているので、そのことに大して特に気にはしていませんが、
この知名度の低さを放置しておいていいのかな?
と感じてしまわずにはいられません。
あまりの知名度の低さに耐えかねて?
弁理士が所属する「日本弁理士会」は、
タレントを起用したPR動画をYouTubeにアップして、知名度向上に努めています。
「BENRI-C」
この動画の良し悪しについては、ここでは述べませんが、
この場を借りて、あらためて「弁理士とは何か?」について書かせて頂きます。
「弁理士」とは、知的財産を専門に取り扱う士業です。
具体的には、発明、考案、意匠、商標などの知的財産を、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの権利(独占排他権)にするお手伝いをする職業です。
権利にするためには、国(特許庁)に申請をして、国からお墨付きを得なければなりません。
申請をするためには、申請書(願書)を特許庁に提出しなければなりません。
ここで、特許庁に願書を提出する人を出願人といいます。
例えば、発明を考えた人が、その発明で特許権を取りたいので、そのための願書を特許庁に提出する場合、その願書を提出する人を出願人といいます。
弁理士は、出願人の求めに応じて、出願人の代わりに(代理人として)、願書を作成して特許庁に提出する業務を行うことができます。
弁理士は、出願代理だけをやっているわけではなく、その他にも、
発明やその権利化に関する相談業務や、
知財関係のトラブルを解決するためのアドバイスや、
(弁護士と共同での)知財関連の紛争解決業務や、
税関における知的財産権侵害物品の水際取締りに関する業務など
その業務範囲は多岐にわたっています。
最近では、母数こそまだ少ないですが、知財経営コンサルタントとして、
中小企業の経営を知財の側面から支援する業務を専門とする弁理士もいます。
その弁理士ですが、実は、旧字で書くと、弁護士とは明らかに違うことを理解して頂けると思います。
弁理士を、旧字体で書くと「辨理士」となります。
一方で、
弁護士を、旧字体で書くと「辯護士」となります。
「辨理士」の「辨」は真ん中がカタカナの「リ」になっています。
意味は「わきまえる。わける。処理する。」です(出典:漢字ペディア)。
一方で、
「辯護士」の「辯」は真ん中が漢字の「言」になっています。
意味は「かたる。話す。述べる。説きあかす。」です(出典:漢字ペディア)。
「辨理士」の「理」は、「ことわり。すじ。」です。
「ことわり」とは「物事の筋道。条理。道理。わけ。理由。」(出典:goo辞書)です。
すなわち、「辨理士」は、物事の筋道をわきまえる職業と言えそうです。
例えば、発明を特許権にしてもらうためには、願書にその発明の説明書である明細書(会計上の明細書とは別物です。)を添付しなければなりません。
この明細書には、記載のルールというものがきめ細かく決められています。
そのルールに従って記載されていない明細書を特許庁に提出しても、
特許庁からNGと言われます。
弁理士は、それらのルールを熟知していますので、少なくとも形式的な面で特許庁からNGと言われることはほとんどありません。
まさに、物事の筋道をわきまえる業務(ここでは記載ルールに則って明細書を作成する業務)を行うことに長けている者、それが弁理士だということができるかと思います。
「辨理士」の「辨」と
「辯護士」の「辯」とを
「弁」に統一してしまったことが見た人を混乱させている原因かもしれませんね(^^;